
赤ちゃんを家に迎えるのを機に、暖房をオイルレスヒーターにしようと思っているの。しばらく外出できないと思うんだけど、例えば、一ヶ月つけっぱなしにしたら電気代ってどれぐらいかかるのかしら? よくある電気代の計算は数字の幅が広すぎて参考にならなくって・・・。

メーカーが公開しているシミュレーションの数値をもとに、僕が独自に試算してみたところ、オイルレスヒーターの電気代は、一ヶ月つけっぱなしで10,800~11,900円、就寝時のみ使う場合は約4,500円(9時間で計算) だったよ※。電気代は高いけど、その分、オイルレスヒーターには、エアコンに対する不満が一気に解決するからおすすめしてるんだ!
※ Dimplex(ディンプレックス)、ユーレックスが公開しているシミュレーションの数値をもとに、筆者が試算した結果。部屋の広さは10畳(ディンプレックス)と8畳(ユーレックス)、設定温度20℃、外気温8.46℃、エコ運転と仮定。「一ヶ月連続運転」および「毎日9時間運転」のケースで計算。様々な要因で電気代はかわるので、あくまで参考値。計算の詳細は後述します。

やっぱりエアコンと比べると高いわね・・・。電気代を節約する方法ってないのかしら?

実際にオイルレスヒーターを使っている僕がやっている方法や、よく言われる節電のコツも紹介するね。詳しくは本記事後半のこちらを見てね!
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本記事では、オイルレスヒーターのメーカーであるDimplex(ディンプレックス) とユーレックス が公式サイトにのせている電気代シミュレーションの数値をもとに、「一ヶ月つけっぱなし」のケースと「就寝時のみ使用」の2ケースで電気代を概算しました。エアコンとの比較もしているので、オイルレスヒーターの購入を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。
また、「オイルレスヒーターを使いたいけど、少しでも電気代をおさえたい」という人向けに、節電のコツについても解説しました。オイルレスヒーターはエアコンより電気代がかかってしいますが、その分、エアコンに対する不満がほぼ無くなります。本記事を読んで、オイルレスヒーターの電気代についての理解を深めた上で、購入を検討してみてください。
オイルレスヒーターの選定で迷っている人は、オイルレスヒーターの”ケース別” おすすめ という記事もあわせてご覧ください。
メーカーのシミュレーション値をもとに、一ヶ月つけっぱなしの電気代を計算してみた
筆者が知る限り、オイルレスヒーターのメーカーで、電気代のシミュレーション結果を公式サイトにのせているのは、ディンプレックスとユーレックスだけです。この2社のシミュレーション値をもとに、それぞれ「一ヶ月つけっぱなし」の時の電気代を計算すると、以下のようになりました。
オイルレスヒーターを”一ヶ月つけっぱなし” にするとの電気代はどれぐらい?
- ディンプレックスのオイルフリーヒーターの場合:10,800円
- ユーレックスのヘリテイジヒーターの場合:11,900円
さすがに24時間、一ヶ月つけっぱなしなので電気代は高くなります。
次に、本記事の計算条件と、2つの計算の詳細を解説していきます。
電気代計算の条件(10畳/8畳、20℃設定、外気温8.46℃)
本記事では、以下の条件で電気代を計算しました。
- 1時間当たりの電気代の単価:31円/kWh
- 部屋の広さ:10畳(ディンプレックスのケース)、8畳(ユーレックスのケース)
- 設定温度:20℃
- 外気温:8.46℃ (東京の暖房期間 11月8日~4月16日の平均気温)
- 稼働時間:24時間つけっぱなし
1時間当たりの電気代の単価は31円/kWh としました。根拠は以下の引用の通りです(黄色のハイライトは筆者が追加)。電気代の計算には、一般的にこの目安単価が使われることが多いです。
電力料金はご契約の小売電気事業者により異なりますので、家電公取協では目安となる単価を定めています。
電力料金は、ご契約の小売電気事業者により異なります。そのため、家電公取協では、「電力取引報」(「経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会」公表)における全小売電気事業者の販売電力量・販売額の集計値などに基づき、目安単価を算出しています。
なお、現在の目安単価は、令和4年7月22日に改定された31円/kWh(税込)です。
次に、部屋の広さです。ディンプレックスのシミュレーション条件は10畳です。ユーレックスは複数の広さでシミュレーションしていますが、平均的な寝室を想定して8畳の値を使うこととしました。
設定温度は、暖房機器の電気代シミュレーションによく使われる20℃を採用しました。
外気温は8.46℃ を使用しました。以下に引用した「省エネ性能カタログ 2023年度版」で採用されている暖房期間(11月8日~4月16日) の東京の平均気温を算出しました。もとになる気温データについては、気象庁の「過去の気象データ検索」から入手しました。
ディンプレックスの計算値をもとに、一ヶ月つけっぱなしの電気代を試算すると10,827円になった
ディンプレックスが公開しているシミュレーション結果をもとに、一ヶ月つけっぱなしにした時の電気代を計算してみると、10,827円になりました。以下、順番に解説していきます。
ディンプレックスは、インテリジェントモード※ 使用の場合の電気代を「1日当たり114円」とシミュレーションしています。 以下は公式サイトからの引用です。
※ いわゆるエコ運転
インテリジェントモードで、他社と比較して約10%※省エネ。
※1 条件:2019年度販売 1200W以上のオイルフリーヒーター 主要3社を比較。北海道大学 大学院 工学研究院 長野教授との共同研究結果による。
※2 条件:暖房畳数10畳・室温設定20℃、住宅性能(Q値)=2.7W/m2・K、暖房出力1200W、2019年12月15日東京都の気象庁の外気温データによるシュミレーション値
※インテリジェントモードは、B04/B05/B06のみです。引用元:Dimplex 公式サイト
この114円が、1日何時間の運転を想定しているのかは記載がなかったため、公式サイトに問い合わせたところ、「8時間と仮定して計算している」との回答でした、したがって、1日つけっぱなしにした時の電気代を計算すると、以下のようになります。
114円 × 24時間/8時間 = 342円
(1日8時間利用の電気代) × (比例計算で24時間に換算) = (1日つけっぱなしの電気代)
※電気代が稼働時間に比例すると仮定
次に、シミュレーション条件に外気温は「2019年12月15日の東京都の値を使用」とあるので、本記事の外気温条件8.46℃に補正を行います。気象庁のデータベースで調べたところ、ディンプレックスが使った2019年12月15日の平均外気温は8.7℃でした。したがって、設定温度からの差分を使って比例計算を行うと、以下の通りになります。
342円 × (20℃ – 8.46℃)/(20℃ – 8.7℃) = 349.3円
(1日つけっぱなしの電気代) × (設定温度と外気温の温度差)/(メーカーのシミュレーションの温度差) = (外気温8.46℃ で1日つけっぱなしにした時の電気代)
※ 「設定温度と外気温の差」に比例して消費電力が上昇すると仮定
最後に、1日の稼働時間である24時間と、1ヶ月の日数(31日を使用) をかけて、1ヶ月けっぱなしにした時の電気代を求めました。
349.3円 × 24時間 × 31日 = 10,827 円/月
(外気温8.46℃ で1日つけっぱなしにした時の電気代) × (1日の稼働時間) × (1ヶ月の日数) = (1ヶ月つけっぱなしの電気代)
もちろんメーカーやモデル、部屋の広さ・構造、外気温、電力会社などによって計算通りにはいかないので、あくまで目安ですが、オイルレスヒーターをエコ運電で1ヵ月つけっぱなしにすると、1万円を超える電気代がかかりそうです。
次に、電気代のシミューション値を公開しているもう一社のユーレックスのケースも試算してみます。
ユーレックスの計算値をもとに、一ヶ月つけっぱなしの電気代を試算すると11,900円になった
ユーレックス公式サイトの計算値をもとに、ヘリテイジヒーター※ を一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代を計算してみると、11,913円でした。
※ ユーレックスのオイルレスヒーターの商品名
以下、ユーレックスが公開している電気代シミュレーションからの引用です。
ヘリテイジヒーターの電気代シミュレーション
実際の電気料金はご使用いただく環境・外気温・電力会社との契約内容によって異なります。使用状況によって消費電力及び電気代は変動しますので、上記は電気代を保証するものではありません。
1時間あたりの電気代目安
運転の種類 リビング10畳
24℃寝室8畳
18℃子供部屋6畳
20℃通常運転 約28.4円 約15.0円 約14.2円 エコ運転 約21.4円 約11.1円 約12.3円 ※上記の電気代算出に使用したシミュレーション条件
運転時間:8時間
建物の構造:RC集合住宅
外気温:10°C
1kW/時の電気代は31円で計算引用元:ユーレックス公式サイト
このシミュレーションはケース別に複数の数値が示されているので、今回は、本記事の計算条件にあわせて、以下のシミュレーション値を使うこととしました。
- 1時間あたり11.1円:8畳、18℃設定、外気温10℃、エコ運転
前述のディンプレックスと同様に「1ヶ月つけっぱなしの電気代」を計算をすると、以下のようになります。
11.1円 × (20-8.46)/(18-10) × 24時間 × 31日 = 11,913 円/月
(1時間あたりの電気代) × (設定温度と外気温の温度差)/(メーカーのシミュレーション時の温度差) × (1日の時間) × (1ヶ月の日数) = (1ヶ月つけっぱなしの電気代)
ユーレックスの場合は、一ヶ月つけっぱなしにすると電気代が約12,000円ほどかかる結果になりました。ディンプレックスのケースと約1,000円の違いなので、大きな間違いはなそうです。
オイルレスヒーターを就寝時のみつけっぱなしにすると、電気代はどれぐらい?
乾燥や音が嫌で、「就寝時のみオイルレスヒーターを使用したい」という人も多いと思います。前述の計算値を使って、9時間エコ運転した場合の電気代を比例計算してみました。
11,913円/月※ × 9時間/24時間 = 4,467円/月
(オイルレスヒーターを1ヶ月つけっぱなしにした時の電気代) × (就寝時間/1日の時間) = (寝るときだけつけっぱなしにした時の1ヶ月の電気代)
※ユーレックス ヘリテイジヒーターをエコ運転で1ヶ月つけっぱなしにした時の電気代(筆者試算)。8畳、20℃設定、外気温8.46℃と仮定。
就寝時のみ使った場合でも約4,500円/月 かかるので、安くはないですが、「エアコンの風による乾燥が嫌い」「ホコリを巻き上げない暖房が良い」「静かな部屋で寝たい」という希望がある人は、検討に値する金額だと思います。
次に、比較対象となる「エアコンをつけっぱなしにした場合の電気代」を計算してみます。
エアコンを一ヶ月つけっぱなしにすると電気代はどれぐらい?
エアコンの暖房を一ヶ月つけっぱなしにした時の電気代を試算したところ、10畳の場合は4,417円、8畳の場合は4,027円となりました※。
※以下の条件で筆者が計算した値。諸条件によって電気代はかわるので、あくまで参考値。
できるだけオイルレスヒーターのケースと比較しやすいように、計算条件は以下の通りとしました。モデルは、シェアの高いダイキンの代表機種「うるさらX」を選びました。
- 1時間当たりの電気代の単価:31円/kWh
- 部屋の広さ:10畳と8畳の2ケース
- 設定温度:20℃
- 外気温:8.46℃ (東京の暖房期間 11月8日~4月16日の平均気温)
- 稼働時間:24時間つけっぱなし
- 製品名:ダイキン工業「うるさらX」
10畳用のエアコンを一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代を計算してみた
10畳用のエアコンを一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は、4,417円※ でした。
※うるさらX をで20℃設定でつけっぱなしにした時の一ヶ月の電気代。東京の暖房期間(11月8日~4月16日)の平均。電気代の単価は31円/kWh。
エアコンの暖房を使用した時の電気代の計算には、以下の引用元に記載の暖房期間消費電力量 555kWh (ダイキン うるさらXの値) を用いました。
計算の詳細は以下の通りです。
「暖房期間消費電力量」は18時間稼働で計算されているので、以下の通り、比例計算で24時間稼働の電力量を計算しました。
555kWh × 24時間/18時間 = 740kWh
(暖房期間に使った電気の量) × (1日の時間/省エネ性能カタログ記載の稼働時間) = (24時間つけっぱなしにした時の暖房期間の電気の量)
次に、電気代の目安単価である31円/kWh を使って、電気代に換算します。
31円/kWh × 740kWh = 22,940円
(1時間当たりの電気代) × (1日つけっぱなしにした時の暖房期間の電気の量) = (暖房期間トータルの電気代)
この電気代は、 11月8日~4月16日(161日) 分なので、1ヶ月(31日)あたりの電気代に換算します。
22,940円 × 31日/161日 = 4417円/月
(暖房期間トータルの電気代) × (1ヶ月の日数/暖房期間の日数) = (1ヶ月つけっぱなしの電気代)
同じく10畳の計算をしたディンプレックスのオイルレスヒーターは10,800円だったので、エアコンは、41%程度の電気代であることがわかりました。単純に電気代だけを考えると、エアコンの方がかなりコスパが良いことがわかります。
8畳用のエアコンを一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代を計算してみた
8畳用のエアコンを一ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代は、4,027円※ でした。
※うるさらX をで20℃設定でつけっぱなしにした時の一ヶ月の電気代。東京の暖房期間(11月8日~4月16日)の平均。電気代の単価は31円/kWh。
エアコンの暖房を使用した時の電気代の計算には、以下の引用元に記載の暖房期間消費電力量 506kWh (ダイキン うるさらXの値) を用いました。
計算の詳細は以下の通りです。
「暖房期間消費電力量」は18時間稼働で計算されているので、以下の通り、比例計算で24時間稼働の電力量を計算しました。
506kWh × 24時間/18時間 = 674.7kWh
(暖房期間に使った電気の量) × (1日の時間/省エネ性能カタログ記載の稼働時間) = (24時間つけっぱなしにした時の暖房期間の電気の量)
次に、電気代の目安単価である31円/kWh を使って、電気代に換算します。
31円/kWh × 674.7kWh = 20,915円
(1時間当たりの電気代) × (1日つけっぱなしにした時の暖房期間の電気の量) = (暖房期間トータルの電気代)
この電気代は、 11月8日~4月16日(161日) 分なので、1ヶ月(31日)あたりの電気代に換算します。
20,915円 × 31日/161日 = 4027円/月
(暖房期間トータルの電気代) × (1ヶ月の日数/暖房期間の日数) = (1ヶ月つけっぱなしの電気代)
同じく8畳の計算をしたユーレックスのオイルレスヒーターは11,913円/月だったので、エアコンは、オイルレスヒーターの34%程度の電気代という結果となりました。10畳のケースと同様、単純に電気代だけで考えると、エアコンの方がかなりコスパが良いことがわかります。
オイルレスヒーター節電のコツ5選
オイルレスヒーターを実際に使用している筆者が行っている以下5つの節電のコツ紹介していきます。
- 最初にフルパワーで部屋を暖める
- 最初にエアコンで部屋を暖めてからオイルレスヒーターにバトンタッチする
- オイルレスヒーターを窓際に置いて冷気の侵入を防ぐ
- 窓の断熱性を高める
- エコ運転機能を使う
筆者の家は、築30年の木造 戸建てで断熱性が低く、日々、色々な工夫をしながらオイルレスヒーターを使っています。順番に解説します。
最初にフルパワーで部屋を暖める
オイルレスヒーターはエアコンと違って部屋を暖めるのに時間がかかります。このため、以下の図のように、中途半端な出力で暖め始めると、なかなか目標温度に到達しない、あるいは長い時間をかけて暖めすぎてしまうことがあります(ただし、高性能な温度制御機能があるモデルは除く)。

理想的な使い方は、以下のように最初に高出力で部屋を暖め、目標温度に達したら出力を下げる方法です。温度制御機能があるモデルの場合は、最初に自分が快適な温度設定(例えば20℃ 等) を見つけることで、無駄な暖めすぎを減らすことができます。

次に、「最初に高出力で部屋を暖める」をエアコンに任せてしまう方法を紹介します。
最初にエアコンで部屋を暖めてからオイルレスヒーターにバトンタッチする

そもそもエアコンが嫌だからオイルレスヒーターが欲しいんだけど・・・。

エアコンの風で少しでもホコリが舞い上がるのが耐えられない人には、この方法はおすすめしないよ。でも、もしそうではなくて、部屋にエアコンがある場合には試してほしい方法なんだ。

エアコンを使うと節電になるの?

そうだね。オイルレスヒーターは、最初に部屋を暖めるときに、たくさん電力を使うんだ。だから、最初に10~20分でもエアコンが使えると省エネになるんだ! 例えば、「あらかじめエアコンで寝室を暖めておいて、寝る直前にオイルレスヒーターにバトンタッチ」みたいな使い方がオススメだよ。
オイルレスヒーターはエアコンと違って部屋を暖めるのに時間がかかります(例えば、30分~1時間ぐらい)。このため、電源を入れた直後は出力を上げざるを得ないので、初期の消費電力が大きくなります※。この点、エアコンは短時間で部屋を暖めることができ、比較的低消費電力なので、オイルレスヒーターと併用すると節電になります。
※ 例えば、最大消費電力の1,500Wで1時間使うと41.5円の電気代がかかります(31円/kWhで計算)
オイルレスヒーターを窓際に置いて冷気の侵入を防ぐ
オイルレスヒーターを窓際に置くことで、窓から部屋に入ってくる冷気(コールドドラフト) をシャットアウトして、効率的に部屋を暖めることができます。以下、ディンプレックス公式サイトからの引用です。
窓から侵入する冷気“コールドドラフト”をすばやくシャットアウト
オイルフリーヒーターを窓際に設置すると、窓からの冷気”コールドドラフト”を抑えて効率的にお部屋をあたためることができます。
オイルフリーヒーターは、パワフルな自然対流熱と、独自のヒーター制御で暖房機の下部をあたためることにより、コールドドラフトをシャットアウト。
引用元:ディンプレックス公式サイト
※”オイルフリーヒーター” は、”オイルレスヒーター” と同じです
筆者は寝室でオイルレスヒーター(ケノンヒーター) を使っているのですが、残念ながら、スペースの関係で窓際に置くことができません。その代わり、以下の方法で窓の断熱性を高めています。
窓の断熱性を高める
これはオイルレスヒーターに限らないことですが、住宅でもっとも熱が逃げていく”窓” を対策するのが節電に効果的です。例えば、以下のような方法があります。
部屋の断熱性を高める方法
- シャッター、雨戸を閉める
- 窓にフィルムを貼るなどして、二重窓にする
- カーテンを閉める
筆者の家は築30年の木造戸建てなので、正直、断熱性は高くありません。そのため、冬は寝る前に雨戸を閉めています。雨戸を閉めることによって、雨戸と窓の間の空気の層が断熱材の役割を果たします。できることなら、夕方(寒くなる前) に閉めるのがおすすめです。
シングルガラスも断熱性能が低いのでペアガラスにするのがおすすめですが、難しい場合はフィルムを貼るだけでもかなりの効果があります。筆者の家はシングルガラスなのですが、ニトムズの断熱フィルム を貼って簡易的に二重窓構造を作りました。結果的に、長年「エアコン+加湿器」のせいで毎年結露していた窓がほぼ結露しなくなりました。これは、窓の断熱性能が高くなり、内側(フィルム)に外気の温度が伝わりにくくなった証拠といえます。
カーテンを閉めるのも重要です。雨戸やシャッターが窓の外側に空気の層をつくるように、カーテンは、窓の内側に空気の断熱層を作ることができます。床ギリギリの長さにすることでコールドドラフトの侵入を防ぐ効果もあります。また、断熱カーテンは、布自体が断熱素材なので、より断熱効果が見込めます。断熱カーテンについては、カーテンノート の記事が参考になります。
エコ運転機能を使う
多くのオイルレスヒーターにはエコ運転機能があります。各社、具体的な運転内容は多少異なりますが、おもに以下のようなことをやっています。劇的に省電力になるわけではないですが、毎日使用する場合には、節電効果が見込めます。通常運転より25%節電とうたっているメーカーもあります(例えば、ユーレックス とコロナ)
オイルレスヒーターのエコ運転機能は具体的に何をやっている?
- 暖めすぎない
- 設定温度に到達すると出力をおさえる
- 設定温度よりもやや低めの温度に制御する
- 立ち上がりを緩やかにする
- 目標温度までの到達時間をゆっくりにすることで消費電力をおさえる
以下の表に、各社のエコ運転の名前と具体的な運転内容をまとめました。購入の際の参考にしてください。
メーカー(ブランド)と製品名 | エコ運転の機能名 | 運転の内容 |
ケノンヒーター スグダン | 節電ECOモード | 一定の温度に達したらそれ以上温度が上がらないようにする |
ディンプレックス オイルフリーヒーター | インテリジェントモード | 室温を一定にコントロールし、無駄な電力消費を防ぐ |
コロナ ノイルヒート | eco運転 | 室温が設定温度に到達後、ひかえめ運転に切り替わる |
ユーレックス ヘリテイジヒーター | エコ運転 | 設定温度までの立上りを緩やかにし、設定された温度よりも少しだけ低い室温を保つ |
シロカ かるポカ | 節電モード | 設定温度と周囲温度の差にあわせて、 パワー( 800W(中)/ 400W(弱))を自動で切り替える |
デロンギ マルチダイナミックヒーター | エコ運転 | 設定温度より自動的に0.5~2.0℃温度を下げて運転する |
山善 オイルレスヒーター | なし | – |
まとめ
ディンプレックスとユーレックスの2社が公開している電気代シミュレーションの数値をもとに、1ヶ月つけっぱなしにした時の電気代を試算しました。8~10畳の部屋で20℃設定のエコ運転をした場合、オイルレスヒーターの電気代は、10.800~11,900円/月※ 程度になることがわかりました。近い条件で計算したエアコンの場合と比較すると、2~2.5倍ほどの電気代がかかることになります。
※外気温は東京の暖房期間の想定で8.46℃と仮定。ただし、諸条件により電気代は変わるので、あくまで参考値
次に、今回試算した電気代をもとに、就寝時のみ(9時間) オイルレスヒーターを使用した場合の電気代を概算したところ、約4,500円/月になりました。
いずれの計算値も、エアコンと比較すると安くはありません。しかし、その分、オイルレスヒーターには、以下のような魅力的なメリットがたくさんあります。
- エアコンのような風が出ないので乾燥しにくい、ホコリをまきあげない
- ファンが無いので、ほぼ無音
- 表面温度が60℃程度の製品が多く、火傷しにくい
- 輻射熱や遠赤外線で加熱する製品が多く、ポカポカと暖かい
- フィルター掃除などのメンテナンスが不要
オイルレスヒーターを実際に使用する筆者が行っている、以下5つの電気代を節約するコツを紹介しました。一つ一つは小さな節電ですが、長い目で見ると大きな効果になります。ぜひオイルレスヒーターの導入とあわせて検討してみてください。
- 最初にフルパワーで部屋を暖める
- 最初にエアコンで部屋を暖めてからオイルレスヒーターにバトンタッチする
- オイルレスヒーターを窓際に置いて冷気の侵入を防ぐ
- 窓の断熱性を高める
- エコ運転機能を使う
ぜひ本記事を読んで、電気代と節電に対する理解を深めて、オイルレスヒーターの購入を検討してみてください。
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